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   騙し続けて欲しかった 4

「君が別れると決心した理由はわかっている。実はそうなる前に話さなくてはならないと思っていた」


「そのことは、僕が話す前に君が知れば間違いなく別れになると思っていた。だから、いつ話そうかと迷っていた」


 女は成り行きからとは言え、自分の過去を話した後であり聞いてみる気になった。黙って俯いていた。


「君が知ったように、僕には結婚歴がある。しかも2年間に2度の結婚と離婚を繰り返している」


「それを知ればだれでも別れようと思う。君の判断は正しい。まして、君の過去の話を聞いてそれは当然だと思う」


「実は偽装結婚なのだ。12年前多額の借金を抱えて自転車操業的返済をしていた。金利ですら払えなくなっていた」


「そんな時、支払いの遅れた高利の金貸しから半分強制的に偽装結婚させられた。報酬は30万円」


「正直、助かったと思った。金貸しに感謝したほどだ。1年後、今度は自分から申し出た。それが2度目の偽装結婚だ」


「良く離婚が出来ましたね」


 女はあまりにも衝撃的な話に思わず口を挟んだ。


「初めから期間は半年間と決まっていた。半年先の日付入りで、記入済みの離婚届用紙を渡されていた」


「相手とは一緒に住んだことはない。それどころか顔も見たことはない。だから簡単に離婚届をした」


「そんなことが役所に通るのですか?」


「役所には二人で出向く必要は無い。書面が整っていれば、何の問題もなく受理してくれる」


「今は制度がどうなっているかはわからないが、12年前僕は26歳の時だ。その罰が今下りている」


「今、僕は借金ゼロだ。こんなに嬉しく幸せなことはない。これは借金に苦しんだ人間にしかわからないだろう」


「借金の理由は何だったのですか?」


「分不相応の生活と買い物。慣れは怖い、いつの間にか膨れ上がり多額の借金になった。自転車操業的返済をしていた」


「聞いても良いですか。どうやって返済したのですか?」


「実はこの5年間で返済出来た。それは君のおかげだ」


「どう言うことですか?」


「このバツ2の汚れた戸籍では、結婚をすることは難しいとあきらめていた」


 男は女の顔を決意したように見つめて言葉を続けた。


「しかし、君を好きになってから考えが変わった。どうしても君と結婚したい。結婚して欲しい」


                        つづく

次回は1月18日金曜日朝10時に掲載します