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    39、節操

「だめよ、触られるくらい我慢しなさいよ。生きるためには食べなくてはならないのよ」


「わたし、だめなの。あの大きな手で触られるとぞっとするの。我慢できないの」


「あたしだって最初は嫌だったわ。でもね、慣れれば平気。今では、お好きなようにどうぞってものよ」


「わたし、あなたの様子を見ていて腹が立ってくるの。あなたのことじゃないわよ。あの嫌な男のこと」


「仕方ないのよ。もてるタイプじゃないもの。私たちに食事をご馳走することで、欲求不満の解消をしているのね」


「奥さんいるんでしょ?」


「いるにはいるようだけど、仲良くないわね。いつも言い争ってるわよ」


「どんなことで?」


「あたしたちに食事をご馳走することも原因の一つね。近所の目があるから止めて下さいって言ってるわよ」


「奥さんは、あなたの背中や胸を触っているの知らないのかしら」


「何回か見られたわよ。でも知らんぷりしてるわよ」


「奥さんあきらめてるのね。助平親爺のことは、奥さんも承知しているのかもね」


「ねぇ、そんなことどうでもいいのよ。最近、あたしだけしかご馳走してくれないでしょう。あたしが困るのよ」


「どうして?」


「だって、あなたにあたしの分わけてあげてるでしょう。あたしの分半分になるのよ」


「ごめんなさい。いつもあなたに申し訳ないと思っているの」


「なら、少しぐらい我慢しなさいよ。触られるぐらいすぐ慣れるわよ。死ぬわけじゃないのよ」


 その日、友人の背中や胸をしきりに触っていたが、わたしが今日は珍しくそばにいるので手を伸ばしてきた。


 観念したと思ったのだろうか?背中だけじゃなく胸からお腹まで触ってきた。図々しい!


 触られるの覚悟したせいかしら?触られてみると、なんて気持ちが良いのだろう。もう嫌悪感はなくなっていた。


 大きな手でお腹の辺まで撫でられると、ぞくっと身震いがした。気持ち良いわ。そこで男の手が止まった。


『ねぇ、もっと続けて!お願い!』


 わたしは心の中で叫んだ。


 薄目を開けると、目の前に二人分の食事が用意されていた。


「あら、今日は二匹ともなついているわね」


「そうなんだよ。この野良猫達、うちで飼おうか?」


                        終わり

次回は10月5日朝10時に掲載します