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   39.おめでた

 二人の寝室は別棟には住まず、以前の松崎の部屋である。


「どうした?眠れないのか。こっちにおいで」


 おつるは自分の寝床を出て松崎の寝床に入って行った。夫婦として1年半になる。互いを愛しむ気持ちは益々強くなった。


 松崎はおつるを両手で抱きしめた。おつるは松崎の足の間に自分の足を滑り込ませ、顔を胸にうずめた。


 そういうおつるが、愛おしく可愛くて堪らなかった。おつるの為なら何でも出来る。何でもする。


「何か心配があるのか?話してごらん」


 おつるの頭を撫でながら静かに聞いた。


「…子供が出来たようです」


 少し言い淀み、恥ずかしそうに答えた。


「えっ!誠か?」


 松崎は飛び起きた。おつるは両手で顔を押さえて、


「はい、間違いありません」


「良かった。おつる、実は心配していた。ほとんど毎日しているのに、なぜ出来ないのだろうと」


「もっと早く言おうと思ったのです。でも、前回のことがありますので私も不安でした。今日から4か月目です」


「どれ、見せてごらん」


 おつるを仰向けにすると襦袢を左右に開いた。そのお腹を擦りながら、足を開いて覗き込んだ。


「嫌ですよ、そんなとこ覗いて。見えるわけありません」


 松崎はそこをそっと左右に開いた。しっとりと濡れていた。松崎はむらむらとしてきた。


「入れても大丈夫?」


「そっとですよ」


 互いにその気十分だった。すんなり収まった。松崎は気を付けるかのように、いつもよりゆっくり注送を続ける。


 おつるは今までにない快感を味わい、声を必死に堪えたが無理だった。松崎が手で口を押えた。


 おつるのそこは痙攣を始めた。その快感は身体全体に広がり後頭部から抜けていった。同時に意識も無くなった。


「おつる、大丈夫か?」


 おつるは目を開けた。とろんとした目で松崎を見た。口が利けない。うつろに松崎を見ている。少し間があって、


「はい」


 と短く答え、顔を両手で押さえた。なぜか恥ずかしかった。思い直したように松崎に抱きついていった。


 一年半の間、松崎は自分の欲求に任せた接触だった。放出すればそれで終わり。それが自然だと思っていた。


 お腹の子に気を遣い、いたわるようにゆっくり注送した。松崎自身に絡みつくような感触は初めて味わった。


 この夜から二人の夜は、長い夜に変わった。時には明け方まで続いた。


 川越には大小交えて7店の呉服屋があった。2代目父の代は川越で名実ともに2番目の繁盛店であった。


 3代目の姉婿吉蔵は博打に手を出し、山形屋を潰してしまった。血を継ぐ妹おつるの奮闘で見事に山形屋は復活した。


                      つづく

ひな祭りでした。

次回は最終回です。3月10日火曜日に掲載します