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23、成り行き

 坂西は自分が何をしているのか意識がなかった。思わず抱きしめた。そのまま口を吸った。


 お菊はされるままに口を寄せた。抱き付いた両手から力が抜けた。いや身体の力が抜けた。自然、坂西に倒れかかった。


 坂西は口を吸いながらしっかり抱きしめた。好きで好きで四六時中お菊を思っていた。それは言えなかった。断られるのが怖かった。  


 暫く抱きしめたままでいたが坂西は口を外すと、


「お菊さん好きだ。死ぬ程好きだ・・・」


 言うと、お菊が坂西をしっかり見つめて、


「あたしも好きです。ずっと好きでした」


「本当か、それは本当か?」


「先生は、女の気持ちなどわからない人だと思っていました」


「先生はやめてくれ。名前で呼んでくれ」


「坂西さんですか?ますます呼べません」


「良いじゃないか、そう呼んでくれ」


「あら、それ変じゃありません。みんな、先生と呼んでいるのに、あたしだけが坂西さんでは変に思われます」


「それもそうだな。何と呼ぶか?」


「先生です。これまで通り先生と呼びます」


 いつの間にか、普通の会話になっていた。坂西は後悔した。呼び方などと余計なことを言ってしまった。


「先生、お酒飲みませんか」


「酒があるのか?」


「料理用にいつも買い置きがあるのです」


「そうか、頂こう」


 坂西は後悔していた。あのまま抱きしめていれば良かったと思ったが、顔には出せず笑いながら返事をした。


 3合徳利と盃を2つ、それに大根と人参のぬかずけの小鉢。盆に入れて持って来た。お菊も何だか気落ちしていた。


「先生、あたしも頂いて良いかしら」


「良いね。一緒に飲もう」


 二人は向かい合って飲み始めた。互いに先ほどのことがあるから、何を話して良いか戸惑っていた。沈黙が堪らず、坂西が口を開いた。


「音のことは心配しなくていいよ。多分、お隣さんだと思う。隣がきれいな人だから、気になって聞き耳を立てているんだろう」


「あら、綺麗な人だなんて、こんな年増女をからかわないで下さい」


「お菊さん、綺麗だよ。さっきはごめんね」


「どうして謝るんです。あたしのこと本当は嫌いなんでしょう」


「嫌いだなんて、とんでもない。好きだよ。ずっと前から好きだった」


「嘘です。途中でやめるなんて…」


「やめる?さっきのこと?それは違う。突然口づけして悪かったと思っている。本当にごめん。どうすれば許してくれる」


「・・・・・・」


 お菊は黙った。そして、俯いた。戸惑いがちに小さな声で、


「もう一度して下さい…」


続きは10月25日火曜日朝10時に掲載します


「えっ?」


 坂西は言葉の意味が分からなかった。いや、信じられなかった。聞き返そうとお菊を見た。 


 お菊は目を瞑り顔を上向きにした。坂西はまさかと思ったが嬉しくなり座ったまま上半身を伸ばし、両肩を抱き顔を寄せた。


 不安定の姿勢に、お菊と一緒に後ろへ倒れ込んでしまった。盃の酒がこぼれたようだが、機会を逃してはと構わずお菊の口を吸った。


 お菊は吸われるままに口を合わせた。舌が入って来た。その舌をお菊は吸った。いつの間にか胸元に手が入って来た。豊かなふくらみが邪魔をして乳首まで届かない。お菊はもどかしくなり、 


「帯を解きます」


 お菊は上半身を起こし、帯と腰紐を解くとそのまま横になった。坂西は待ち兼ねたように直ぐに手を伸ばして来た。着物を襦袢ごと左右に広げた。


 行燈の灯りのなか、薬指の先ほどの乳首がとんと尖って見えた。坂西はすぐに右の乳房を口に含んだ。痛いくらい強く吸われた。右手は左の乳房を優しく掴んだ。お菊から甘い吐息が漏れた。


 坂西は荒い息をしながら身体をお菊の上に移した。もう完全に高まっていた。お菊の下腹部に当たる。そこに片手が伸びて来た。


 お菊は自分から両足をわからぬくらいそっと開いた。坂西は片手を添えながらそこへぐっと押し入れた。ずるっと入った。そこは熟しぬかっていた。


 お菊は声を押さえきれずに小さく呻いた。しっかり奥まで入って来た。嬉しくてそこは自然にすぼまった。


 入った途端吸い込まれるような快感にそのままじっとしていたが、もう我慢がならない。上下に激しく動き始めた。お菊は合わせるがごとく呻き続けたが次第に声を漏らし始めた。


 坂西はこんな快感を味わったのは初めてだった。動くたびに自身全体が吸い込まれ、なめらかなざらつきが纏わりついてくる。


 お菊は身体の奥に当たり続ける充実感に心が震えた。そのたびに声を上げた。当たると無意識にそこがすぼまる。内壁を引きずり出されるようだ。そして戻される。次第に気が遠くなってきた。


 坂西は動き続ける。快感はさらにたかまり限界が来た。力を込めてさらに奥深く突き入れた。瞬間はじけてしまった。


 お菊は身体の奥が破れるかと思った。そこはかっーと熱くなり、それはじわっーと奥底いっぱいに広がった。


 坂西は全身の力が抜けた。お菊の身体の上にぐったりと全身を預けた。もう動けない。心地良い身体の充実感に心も放心した。その時、はっと気付いた。お菊は重かろう。身体を起こそうとした。


 柔らかくなってきた坂西自身はお菊から抜けそうになる。お菊はそれを留めるかのように両手で坂西を強く抱き絞め、下半身を押し当てた。目にはいつの間にか涙が流れていた。

                           つづく

次回24回は11月1日火曜日朝10時に掲載します