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    思い違い 

 「美穂、田中君とうまくいってる?」


「どうして?変な事聞くわね」


「ううん、ちょっと聞いただけ」


「何か気になるな。何か隠してるでしょう」


「そんなことないわよ。ただ聞いただけ」


「言いなさいよ!言わないならもう絶好よ」


「えーっ、ずいぶん簡単に絶好なんだ」


「私は、友達に隠し事するような人は、嫌いなの」


 この居酒屋は美穂と和美の給料日に使っている。同期入社で一番気が合う。田中も同期入社である。


「わかったわよ、言うわよ。大した問題じゃないけどね。田中君ね、この間、飯岡さんと一緒だったよ。知ってる?」


「知ってるわよ。先輩だから、仕事上色々あるみたいよ」


「あ、そう。ならいいんだけど」


 美穂は知ってると言ったが気になっていた。


 翌朝、飯岡とエレベーターが一緒だった。


「おはよう、調子どう?頑張ってね」


 にっこりと笑顔で飯岡が言う。


美穂は心のどこかにわだかまりがあり、挨拶が一瞬遅れてしまった。飯岡の顔が見れなかった。


早くエレベーターが止まって欲しかった。


 朝礼の前に、課長の紹介があった。


「飯岡さんは、今日を最後に退職します。結婚をされて、ご主人の北海道へ行かれるそうです」


 美穂はデスクへ着くと、メモが裏返しに置いてあった。


”今日、帰りにいつもの所で待つ”


 いつもなら嬉しかった。しかし、飯岡さんを疑った自分が悲しい。そして寂しい。


 美穂より先に田中が待っていた。


「誕生日おめでとう。開けてごらん!」


 ネックレスが入っていた。花をデザインした素敵なヘッドが付いていた。


 ごめんね。私、妬いていたのかしら。          


                                    完