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          きつねそば

「きつねそばってきつねの肉を使ってるのかな?」

「そうに決まってるだろう。たぬきもそうだが、普通の肉じゃないから安いんだよ」

 田舎から出てきたばかりか、垢抜けしない学生風の二人。

 壁に貼った品書きを指さしながら言う。出来るだけ値段の安いのを探している。昼時を過ぎた時間のせいか、店内にはこの二人のみ。

「すみません!たぬきそばときつねそば下さい」

「あれっ?油揚げしか入っていないよ!」

「僕のもだ、天ぷらかすの下はそばだけだ」

「東京って、怖い所だから気を付けろと、親から言われたけど、普通の店も騙すんだな」

「聞いてみようか?肉が入ってませんって」

「ばか!初めから入れてないんだから、聞けばおこられるよ」

「でも、そばっておいしいね。田舎には、そばは無いからね」

「しかも、おつゆが濃いのにしょっぱくない。おいしい。でも、これは多分、肉が入ってなくてもわからないようにするためだな」

「見てみろ、カレーライスもあるよ!東京のカレーってどんなカレーかな?」

「肉が入ってなかったりして」

「そういえば、田中がレストランでカレー食べたんだって。カレーとご飯が別々に出て来たと言っていたよ。合理的じゃないよね」

「サービスが悪いんじゃない。かけて出すぐらいのサービスしても良いよね」

「あっ、カレーライスは頼んでません!」

 二人の前にカレーライスが運ばれて来た。

「いいのよ、まだ、食べられるでしょう、小さな店だから全部聞こえているの。親爺さんがサービスですって」

 ご飯にカレーのかかったカレーライスだった。おかみはにこにこ笑っていた。      完