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11、人待ちおでん屋台

 この夜、稲垣の家に結子は立ち寄った。文京区にある新築マンションの一室だった。


 昨年購入したらしい。泊まるように勧められたが結子は帰って来た。稲垣は車で結子をアパートまで送った。


 今日からひと月で屋台を閉めることにした。その後、稲垣と元の生活をすることになった。


 次の日店を開けると客が嬉しそうに入って来た。


「あら、今日は早いのね」


「今日は早く終わったんでね。腹が空いていたが、風呂上りにおでんで一杯と我慢してたんだ」


「さ、どうぞ。じゃがいもと大根以外は食べごろよ」


「ウーロンハイくれる、おでん勝手に入れるよ」


 その時、ぎょろめの男が入って来た。


「いらっしゃい。今日も寒いわね」


「寒いね。お酒、熱燗でね」


「今日は早いのね」


「うん、良い話があってね」


「あら、良いわね。聞かせてもらいたいわ」


「この前、ここで偶然一緒になった後輩の話なんだけどね」


「覚えてるわ。感じの良い人ね」


「ここで話したのがきっかけで、彼女が見つかって今一緒に暮らしているんだよ」


「きっかけ?」


「ここで後輩と会った日、話の途中で急に帰ったよね」


「そうだった?よく覚えてないけど」


「俺との話の中で、後輩は彼女に誤解されていると思い当ったんだよ。彼女が出て行ってから一年も経ったんだよ。鈍感な奴だよ。後輩はその頃会社に泊まることが多かった」