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       食欲の飽き 6

 五木と田中は入口近くのテーブルへ案内された。


「洋食も良いね。明日もここに来ようか?」


 田中の言葉に、


「いつも居酒屋の定食ばかりだからね」


「和食はもう飽きたよ。良い店教えて貰ったね。彼女なんて名前だったかな?」


「木村(和美)さん?」


「いや、もう一人の人」


「和泉さん?」


「そうそう、その人。俺、全然記憶ないよ、お前よく覚えていたな」


「そりゃそうだよ。大事な書類を届けてくれたのは彼女だよ」


「そうらしいな。偶然とは言え良く出会えたね。命の恩人だものな!出て来なかったら間違いなく首だったな!」


「だから、お礼がしたくて鰻ご馳走しようと誘ったら断られた」


「馬鹿だなー!当たり前だろう。知らない男に簡単に食事に付き合うわけないだろう」


「どうしてだ?」


「考えても見ろ!食事は小一時間、顔を合わせているんだぞ。喫茶だったら途中で席を立ってもおかしくないからね」


「そうか?喫茶だから一緒に入ってくれたのかな?」


「それはどうだか?お前の熱意に負けたんだろう。お前はいつも強引だからね」


「いや、俺はお礼がしたかっただけだ」


「馬鹿だなー。向こうは迷惑してるぞ。届けなければ良かったと」


「どう言う意味だ?」


「誘うための口実だよ。そんなの直ぐわかるよ」


「俺はそんなつもりは無いよ。お礼がしたかっただけだよ」


「わかった、わかった。そうだね」


 田中は面倒くさくなったのか同調した。


 その時、


「先日はありがとうございました」


 二人のテーブルの前で、木村(和美)が丁寧にお礼を言う。


その後ろに、和泉が一緒にお辞儀をしている。


 二人はレジに向かう途中だった。


                                 つづく

次回第7回は11月24日金曜日朝10時掲載します