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          護り屋異聞記 28.

 辺見は昨日谷崎が着た後、太吉を呼んだ。長屋は知っているが婚儀相手は知らぬと言う。


 相手は同じ長屋だと聞いている。すぐに長屋を調べさせた。長屋では噂になっていた。


 二人は誰もが結ばれると思っていた。相手は浪人の娘で、その浪人と二人暮らしだと言う。


 辺見の決断は早かった。その浪人を訪ねた。浪人は全てお任せ致すと頭を下げた。娘の父新蔵である。


 辺見は谷崎の人柄に信頼を置いていた。まして、やむを得なかったとは言え、方輪にしたのは自分だった。


 この婚儀はその意味においても応援したかった。まず住まいの確保だ。


 貧乏長屋が悪いわけではないが、道場から遠すぎる。師範代として近くに住んで貰いたい。


 義父竹蔵に相談すると、道場近くに二間付の平屋が二年も空き家になっていると言う。すぐに借りた。


 これからが大変だった。太吉が塾生を5人使って掃除をさせた。次の日、谷崎が出かけると塾生を使って勝手に引っ越しをした。


 新蔵にも引っ越しをして貰った。竹蔵の蕎麦屋の裏にある長屋である。食事を蕎麦屋で摂って貰うためだ。


 辺見の即断即決は見事であった。そして実行した。当人たち谷崎と早苗は何も知らされていなかった。


 婚儀も盛大に盛り上がりお開きになった。太吉が谷崎と早苗にご案内したいところがあります。ご同道をと言う。


 谷崎は辺見にお礼の挨拶に行った。辺見の顔を見ただけで万感に満ちて言葉が出ない。辺見ははにっこり笑って、


「何も言わずとも良い。早苗さんを幸せにすることです。明日から3日間休んで下さい」


 総員の拍手に送られて、太吉に案内されるまま道場を出た。そこには2台の駕籠が待っていた。太吉が先導した。


 2町程も(220m)進んだであろうか、駕籠は直ぐに止まった。


「どうぞ、降りて下さい」


 太吉の声に二人は降りた。あまりの近さに驚いた。


「谷崎さん、今日からお二人の住まいです。借家ですが塾長の計らいです。それから、義父上も竹蔵さんの蕎麦屋の裏にある長屋に移りました。食事は蕎麦屋で出します」


 谷崎は唖然となり言葉が出ない。僅か一両日でここまでのことが成された。改めて塾長の温情と凄さに感じ入った。


「太吉さん、色々ありがとうございました。塾長にもよろしくお伝え下さい」


 谷崎は心からの感謝を伝えるために平易な言葉遣いをした。


 初めての住まいである。玄関が付いていた。引き戸を開けると土間、そして板張り。左に廊下が続いていた。


 最初の部屋は4畳半で左側が土間になっていて流しと竈があった。奥の部屋は8畳で床の間があり、廊下の突き当りは便所になっていた。


 谷崎より早苗が驚いた。武家とは名ばかりの長屋の浪人暮らし。二間続きの家は初めてであった。


「疲れたであろう。座りなさい」


「はい……」


「どうした?そうか、父上のことか、竹蔵さんの店でお世話してくれるらしい。明日にでも挨拶を兼ねて見に行こう」


「何から何までありがとうございます」


 早苗は両手を付いてお礼を言う。


「私ではない。塾長のお心です。ありがたいことだ」


「谷崎様が立派なお方だからです。私のような者をお嫁にして下さいまして、後悔なさいませんか?」


「何を言う。それは私が早苗さんに言う言葉です。こんな男に良く嫁に来てくれました。心底お礼を言います」


「過分過ぎるお言葉ありがとうございます。不束者ですがどうぞよろしくお願い致します」


「こちらこそよろしくお願いします」


 二人は頭を下げ合って、顔を上げると互いに見合ってしまった。思わず互いに笑みがこぼれた。


 谷崎は早苗が可愛くてそして胸がきゅーんとせつなくなった。思わず抱きしめてしまった。


 か細い身体はくねるように谷崎の身体に密着した。早苗の身体から甘い女の匂いがして来た。そのまま口を寄せた。


 いきなり口を吸われ早苗は嬉しかった。谷崎様が死ぬ程好き。抱かれるのだわと覚悟した。


 生まれて初めてのこと、どうして良いかわからない。じっとしていた。そっと柔らかく舐めるように吸われた。


 その時突然、谷崎は唇を離した。はっと気が付いた。明るい。部屋が明るい。なぜだ。状況を思い出そうとした。


 玄関には提灯、玄関の板間と続きの4畳半と台所には行燈。そして、この8畳間には行燈が灯されていた。


 二人の帰る時間に合わせて、塾生に灯りを点けさせていたのだ。心憎いほどの気配りである。


 早苗はびっくりした。私、何かいけないことでもしたのかしら、じっとしていたのがいけなかったのかしら。


「早苗さん、うっかりいていた。戸締りをして来る」


早苗は茫然とした。谷崎が立ち上がって行くとその場に姿勢正しく座った。両手は膝の上。俯いている。


 後悔していた。結婚のことを誰かに聞いて措くべきだった。友達や親しい人も無く、誰にも相談できなかった。


 いつの間にか涙がこぼれていた。谷崎様に別れられたら生きていけない。母の顔が浮ぶ悲しそうに私を見ている。


「早苗さん、提灯など消して戸締りして来たよ。あれ?どした?」


「ごめんなさい、お許し下さい。お気に障ったのでしょう。この歳になっても何もわからないのです」


「どうしたんだ、急に…」


「ご婚儀の大事な夜に…、私何もわからないのです。どうして良いかわからないのです」


「何のことかな?今日は色々あったから疲れたのだね。寝なさい。布団を敷いて上げる」


 ここは長屋と違って押し入れがある。開けると夜具が一組あった。元々谷崎には一組しかなかったのである。


「さ、ここに横になって。私は隣に寝るから心配ないよ」


「お休みにならないのですか?」


「寝るよ」


 谷崎はにっこり笑って言う。


「お布団はお敷にならないのですか?」


「はは、塾長はここまでは気付かなかったと見える。布団は一組しかないんだよ。だからここで良いんだよ」


「私だけお布団に寝るわけいきません。私がそこに寝ます。谷崎様はお布団にお休みください」


「困ったな。それじゃ、一緒に寝る?」


「はい、よろしくお願いします」


 谷崎はその返事を聞いて唖然となった。冗談のつもりだった。すぐに思い直した。夫婦になったんだよ。


「では、そうしよう」


「はい。では向こうを向いていただけますか」


「そうか、わかった」


 帯を解く音がする。衣擦れの音が続く。何気なく横目で見ると、襦袢だけになっているようだ。座ったままだ。


「何をしている?布団に横になりなさい」


「いえ、わたくしは後から横になります」


「良いから、先に横になりなさい」


 気恥ずかしいのか強い口調で言った。


「はい、わかりました」


 早苗は戸惑ったようだったが、横になった。


 谷崎は単衣を脱ぐと襦袢も脱いだ。下帯一つになる。早苗の隣に横になった。胸がどきどきと鼓動していた。


「疲れただろう。眠りなさい」


 優しい声音で谷崎は言いながら立ち上がった。行燈の前に行き、ふっと息で消した。部屋の中が真っ暗になった。


 早苗は、行燈が消える前の谷崎の後ろ姿にどきりとした。下帯だけの後ろ姿に身体の芯が熱くなって来た。


 見ないふりをして、谷崎の方へ横向きになった。部屋の中は真っ暗である。


 その時、着物が上から掛けられた。男の匂いがした。谷崎の単衣だった。早苗は優しく抱きすくめられた。


 嬉しかった。頬に谷崎の温かい息がかかって来た。口を吸われた。嬉しくてじっとしていると胸元に手が入って来た。


 そーっと触って来た。乳首を見つけ出すと吸い始めた。心地良くて声が出そうになった。恥ずかしいのでぐっと堪えた。


 今度は片方の乳房を吸われた。片方の乳房は乳首を指で転がしている。突然、乳首を甘噛みされた。身体の芯がぴくっと引きつる。あーっと思わず小さく声が出た。


 いつまでも吸われた。心地良くて股間がむずむずじわっと湿って来たのがわかる。そこへ谷崎の手が伸びて来た。


 恥ずかしくなって身体をひねった。瞬間、指先が入ってしまった。その指はゆっくりゆっくり奥へ沈んで行く。


 股間がびっしょりと濡れて来たのがわかる。こんなに濡れたのは初めて。恥ずかしい。


 谷崎は身体を起こすと、早苗の口に口を合わせるようにして身体を被せて来た。片手で早苗の襦袢を広げた。


 露わになった両足の中に身体を入れた。太腿に何か固いものが当たる。手を添えてそれを股間の入り口に当てた。


 ぎゅっと何か大きなものが無理に入って来た。引きつるような痛みに腰を引いた。それは容赦なく入って来た。


 何度も繰り返し入って来る。次第に痛みは感じなくなった。早苗の心に喜びが広がって来た。私、女になったの。


 谷崎の息遣いが大きくなった。大きくて固いものが奥へ奥へと入って来る。突然、身体の奥に熱いものが弾けた。


 谷崎は身体をそのままに早苗を抱きしめた。早苗は嬉しくて涙がこぼれて来た。その口を谷崎は優しく吸った。


                       つづく

次回29回は5月25日火曜日朝10時に掲載します