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    百円玉と雨 3.

 梅雨ど真ん中、雨の日が続く。先週と同じく日曜の朝に上がった。ベッドでゴロ寝しているだけだが腹が空いてきた。


 ふと、男の子のことが思い出された。百円玉拾ったと嬉しそうだったな。なんだか会いたくなった。


 時間も先週と同じ昼少し前だ。ひょっとして会えるかもしれないと思った。男はスーパーへ向かった。


 角を曲がると遠くに男の子が立っているように見える。まさかと思い急ぎ足になった。


「おじちゃん!待ってたよ」


 男の子が駆け寄ってきた。手にはどらえもんの樽を持っている。


「おじちゃんを待ってたの?」


「そうだよ、もう、だいぶ待ったよ!」


「悪かったね、待ってるって知らなかったから」


「僕、日曜日が来るのが待ち遠しかったんだよ」


「そうか、この前は日曜日だったからね」


「僕、昨日も待ってたんだよ。そしたらお母さんがね、おじちゃんはお仕事だから日曜日よと教えてくれた」


「そうか、お母さんが教えてくれたのか」


 男の心に微笑んだ母親の顔が浮かんだ。きゅっと胸が締め付けられた。一度会っただけなのに。


「これ、やろうよ!おもしろいんだよ」


 佑汰はドラえもんの樽を男に渡す。


「持ってて、あのね、これをどこでもいいからさすんだよ。ドラえもんがとびだしたら勝ち!」


 男は童心に帰った。二人はゲームに夢中になった。


 その時、車が警笛を鳴らして後ろを通り過ぎて行った。何台も通り過ぎたが、道中に入り過ぎたようだ。


「佑汰君、ここは危ないからスーパーでやろう!」


 男は、スーパーに自由に座れる飲食コーナーがあるのを思い出した。


「佑汰君ここに座ってて、すぐ来るから」


 男は店内でオレンジジュースのペットボトルを2本買って来た。二人はジュースを飲みながら再び夢中なった。


「こんにちは、ごちそうになったようでありがとうございます。こちらにいらっしゃったのですね」


「すみません、勝手に連れて来まして申し訳ありません」


「この子は朝からそわそわしていまして、それならとこの前の所で待ってみたらと言ったのです」


「嬉しいですね、僕を待ってくれるなんて」


「人見知りの激しい子が、こんなこと初めてなんです」


 男は母親の顔を見て胸がどきどきしてきた『…素敵な人だ。僕が求めていた女性だ…』


「いや、面白くてこのゲームにはまってしまいました」


「お母さん!一緒にやろうよ。おじちゃん弱いんだから」


 三人は一緒にゲームを始めた。男の心はほんわかとバラ色に染まっていた。

次回は7月12日金曜日朝10時に掲載します。

本日は遅くなり申し訳ありませんでした。