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    百円玉と雨 14の2

 帰りの電車は混んでいた。それでも藤沢で乗り換えてから30分程で彼女と佑汰は座ることが出来た。


 佑汰は遊び疲れたらしく、座るとすぐに居眠りを始めた。彼女に寄りかかるようにして眠ってしまった。


 次は乗り換えの永山である。彼女は佑汰を起こした。寝ぼけ眼でぼんやりしている。


 駅に着いた。手を引かれてやっと立ち上がったが、まだ目が覚めていない。やっとホームに降りた。


「よし、おじちゃんがおんぶしてやろう!」


 佑汰に背をむけて腰を低くすると、すぐ手を伸ばしてきた。五木は嬉しくなった。後ろ手で抱くようにした。


「すみません、ご迷惑おかけします」


 乗り換えて次の駅、若葉台に着いた。佑汰は背中でぐっすり眠っている。


「家までお送りしますよ」


 五木は送る都合が出来て嬉しかった。


「すみません、よろしくお願いします」


 いつもの彼女なら佑汰を起こして歩かせたものだが、五木と別れたくなかった。


 アパートに着くと、彼女が先に入り電気を点けた。


「すみませんでした、どうぞお入りください」


 五木は佑汰をおぶったまま、器用に片足づつ靴を脱ぎ上がって行った。


「どこに寝かせましょうか?」


「すみません、ここにお願いします」


 彼女は次の間に座布団を2枚並べた。五木は佑汰をそこに寝かすと、彼女がその上にタオルケットを掛けた。


「今、お茶を入れます。どうぞお座り下さい」


 キッチンのテーブルを勧める。五木は遠慮しなかった。なぜか胸がときめいていた。


                       つづく

次回は10月4日金曜日朝10時に掲載します