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            独身主義 22.

 高橋は快感に任せ射精してしまった。そのままじっとしていたが、気が付いて身体を横に直し水野を抱き寄せた。


 水野も身体を寄せて来た。高橋はなお愛おしくなって口を吸った。そうしているちにまた蘇って来た。


 そこはまださっきのままで、するりと入った。高橋は愛を確かめるかのようにゆっくりと動き続けた。


 この日、高橋は泊って行った。そして、次の土曜日の午後再び訪れた。夜を待たずベッドで抱き合った。途中で、


「ね、今日は危ない日なの」


「危ないって何が?」


 言いながら意味が分かった。


「大丈夫だよ。僕たちの子供だろう?」


「そんな!私達結婚してないのよ」


「じゃ、結婚すれば良いじゃないか」


「私達付き合い始めて、まだ1か月にもならないのよ」


「そんなの関係ないよ。嫌なのか?」


「これって、プロポーズなの?」


 高橋は起き上がると正座した。


「結婚して下さい」


 水野も正座して頭を下げながら、


「はい、よろしくお願いします」


「では早速続けましょう」


 高橋は真面目な顔をして、水野に飛びかかるように押し倒して行った。素っ裸の二人はすぐに一つになった。


 次の週から、毎週土曜日は高橋のアパートで過ごすようになった。二人は子供が出来たら入籍することに決めた。


 それから、8か月が過ぎた。二人はすぐに妊娠すると思っていた。しかし、何の兆候もない。水野は心配になって産婦人科を受診した。


 母体には何の問題も無かった。それは内緒の受診だった。1年や2年は普通で10年経って妊娠する人もいるらしい。


 あの人若くないから仕方がないのかも知れないわ。私が気を付けよう。でも10年経ったら、私43歳よ。


 もう若くないわ。水野は体調や食事に気を遣うようになった。彼自身が身体に入って来た時も意識し始めた。


 いつの間にか、気の遠くなるような快感は無くなった。高橋の射精を感じると、じっと動かないように心掛けた。


「どうしたんだ?何か心配事でもあるのか」


 このひと月程、水野の身体が変わった。吸い込まれるような感触は無くなった。声を少しも上げなくなっていた。


 高橋は、ふと12年前のあの頃を思い出した。あの頃は自分の快感しか考えていなかった。


 相手の変化は体調の変化と思っていた。心変わりだった。それは別れた後で気が付いた。


 水野は自分より7つも若い。しかも美人だ。良い相手が見つかったのかも知れない。


 妊娠したら結婚しようなんて、馬鹿なことを言ってしまった。あの時結婚すれば良かった。


 付き合ってまだひと月だったし、歳の差を考えると水野に後悔の無いように、猶予の期間を設けたつもりだった。


 妊娠するはずがない。避妊は女性にだって出来る。不妊を理由に別れようと思っているのかも知れない。


 水野は早く懐妊して高橋を喜ばせたかった。最中にもそのことが思い浮かぶ。懐妊することが目的になった。


 高橋に話をすればすぐに解決することだった。水野は言えなかった。自分の問題と考えた。その思考は癖だった。


「今度の日曜日、接待ゴルフだ。朝早く出なくてはならない。悪いけど会うのは止めようね」


「悪くなんかないわよ。でも、ゴルフするの?これまで聞いたことなかったわね。ひょっとして良い人出来たのかしら」


「どうしてそんなことを言うんだ。何か自分にやましいことがあるんじゃないか」


「冗談に言っただけでしょう。そんなこと少しも思ってません。怒らないで」


「怒るわけないよ。でも最近、君はおかしいよ」


「おかしいって何が」


「・・・・・」


 高橋は黙った。セックスの時とは言えなかった。12年前の頃と同じだ。


「僕ら少し冷却期間を置こうか?何かわからないが、少し噛み合わなくなって来た気がする」


「どうして?そんなこと必要ないわよ」


「来週会えないことが良い機会だ。それから暫くそうしてみよう」


「私は嫌よ。理由はわかってるの。私が悪いの・・・」


「それなら,なおのことだ。来週から少し冷却期間を持とう」


 水野は涙ぐんでいた。それから2か月近くが過ぎた。水野からは何の連絡もなかった。


                     つづく

次回は8月28日金曜日朝10時に掲載します