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         独身主義 10.

「私って馬鹿ね。いつもこうなんだから。はいと言えばいいのに、土曜日も休みですよなんて余計なことを・・・」


 水野は鏡の前に座って自分に話しかけている。


「日曜日は駄目ですと断ったと思われたのね。はいと答えて、土曜日も良いですよと言えばよかったのに・・・」


「話してて楽しかった。穏やかな人。顔にも出てた。何でも安心して話が出来たわ。変ね。私いつも聞き役なのに」


「話過ぎたのかも知れないわ。きっと軽薄な女に見られたのね。土曜日のことは承知の上で無視したのね。そうよ」


 その時、メールの着信音が鳴った。


「こんな時間に誰かしら、名前の表示が無いわ。きっとCMね。何かしら?」


 それは高橋からのメールだった。急ぐようにして読んだ。そして読み返した。胸がぽーっと温かくなって来た。


 すぐに返信した。


”水野です。今日は楽しい時間をありがとうございました。土曜日は午後でしたら何時でも結構です。場所はお任せ致します”


 高橋は祈るような気持ちで、スマホを見ていた。気にしないようにと思ったが。着信音は最大に変更した。


 着信音が鳴った。素早く手にして開いた。会って貰える。本当に会って貰える。世の中がぱっと明るくなった気がした。


 すぐに返事をしなくては、時間は食事のする時間を考えて15時とした。しかし、場所が決まらない。


 新宿にしたいが待ち合わせをしたことが無い。どこにしようかと迷ったが、西口交番の前に決めた。人待ちしている姿をよく見かけるからだ。


”返信ありがとうございます。それでは土曜日15時に、新宿西口交番前ではいかがでしょうか?京王線改札を出てロータリーの前です。お返事お待ちいたします”


 彼女の返信はすぐに来た。高橋は万歳と叫びたかった。早速、明日は会社の帰りに下見に行くことにした。


 食事は、今日洋食だったから和食と決めていた。そこはデパートの中にある有名店である。カフェを決め兼ねていたからだ。しかし、探すのも楽しみだった。


                      つづく

次回は6月5日金曜日朝10時に掲載します