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    愛すればこそ 1.

 何もかも嫌になった。掛け時計の秒針が、規則正しく音を刻む。やけに大きい。


 何もしたくない。何も考えたくない。でも、どうしてもわからない。なぜなの。どうしてなの。


 どうして別れなければならないの。私、あなたにとって何か悪いことをした?教えて。ね、教えて。


 外は雨が降って来たようだ。窓のひさしに雨音が響き始めた。窓にも雨が跳ね返る。すぐに強い降りになった。


 昨夜のことである。明日は土曜日、いつもながら仕事が終わると彼のアパートへ直行した。珍しく彼は帰宅していた。


「ただいま!早かったのね。すぐ夕食作るわ」


 なんだか雰囲気がおかしい。パソコンを前に座っていた。見るともなく、一点を見つめていた。振り向きもせず、突然、


「別れよう」


 彼はその一言を言うと、黙りこくってしまった。何を言っても返事がない。黙って目を閉じている。


 30分程して、重い口を開いた。


「君が、一番わかっているだろう」


「ね、何のこと?ね、何のことなの?」


「………」


 彼はそのまま、また黙ってしまった。


「何があったの。どうしたの?話して下さい」


 彼の顔は苦痛に歪んでいた。そして、


「帰ってくれ。ここには二度と来ないでくれ」


「私が悪いのなら謝ります。許して下さい」


「悪いのなら?反省すらないのだな。帰ってくれ」


 彼は立ち上がると彼女を入口まで送り出した。強引に。


 彼女はドアの外で茫然としていた。あまりにも突然のことで、夢の世界にいるような気がした。


                        つづく

次回は12月27日朝10時に掲載します