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          心の隙間 8.

「嬉しいですね。たかが自転車ぐらいのことで」


「とんでもありません。あんなにもつれるように倒れてしまうと、一人ではどうにもならないのです」


「そうですか。僕は自分の自転車を出そうとしただけです。そうしないと出せないですからね」


 照れてそう言った。あの時は、天の声がしたような気がした。どうせなら全部直したら、暇だろうと聞こえた。


 確かにあの日、自転車を起こし立て直したら気分爽快になった。ついでにと他の場所の自転車も立て直した。


 おかげで係と間違えられもした。言葉遣いも丁寧にした。そう思われているだろうなと思うことは快感だった。


「違うような気がしてましたが、今日見てお客さんだったのだとわかりびっくりしました。親切な方なんですね」


「そんなんじゃないのです。暇でしたから、それだけです」


「あら、お弁当!お一人なんですか?」


「はい、夜は殆ど弁当です。外食は面倒臭いからそうしてます」


「そうなんですよね。私も時々弁当にします。便利ですよね」


「便利です。ただ困ることがあるんですよね。弁当によって1つで足りない時があるんです。2つだと多すぎる」


「量の問題はありますね。私はどの弁当を買っても多すぎて残ってしまいます。だから、自炊にしてます」


「なるほど。でもそれは男には難しいでしょう」


「良いこと教えましょうか?」


「教えてください」


「豆腐一丁を買って置くんです。その時に応じて半丁にするとか出来ますし…第一、体に良いから一石二鳥ですよ」


「良いですね。早速買います。つまみにもなりますしね」


「つまみにするなら、アドガボと合わせてデイップにすると簡単でおいしいですよ」


「デイップて何ですか?」


「クラッカー等に付けるソースです。サンドイッチの中身にもなりますよ」


「ソースですか、駄目です難しいです」


「そう思うでしょ、簡単です。トーフ1丁(300g)にアボガド1個を潰して混ぜるだけです」


「味付けが難しいでしょう?」


「マヨネーズ大匙4杯と胡椒を少々これだけですよ。ぐちゃぐちゃにして混ぜるだけです。簡単です」


「それなら出来ます。買って行こう」


「クラッカーに乗せるとしゃれたオードブルになります」


「それも買って行きます。早速これから作りますが、わからなくなったら教えて貰いますか?」


「ええ、いつでも良いですよ」


「じゃその時は、明日の今頃このスーパーでお待ちします」


「これから作るのでしょう?でしたらわからなくなったら電話下さい」


「電話番号教えていただけますか?」


 広瀬は恐る恐る聞いた。彼女は簡単に教えてくれた。


                       つづく

次回は5月21日金曜日朝10時に掲載します