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     心の花 3

 思いがけないことは続くものである。一日置いた次の朝、ゴミ出しに行く途中に彼女にあった。木田は嬉しくて声をかけた。


「おはようございます!今日は僕が持って行きましょう」


「あら!おはようございます!いえ、私は時間がありますから私がお持ちします」


「わかりました。じゃ、一緒に行きましょう」


 木田はとっさに判断した。一緒に歩けば話が出来る。そこから集積所は直ぐだった。互いにごみを出した。


「お近くですか?」


「あのアパートです!」


 彼女は指をさす。


「えっ、僕も同じです。二階の203号です」


「私は一階です」


 彼女は部屋番号までは言わなかった。しかし、木田は嬉しかった。彼女が同じアパートに住んでいたのだ。


「僕、木田と言います。先日は助かりました。遅れそうだったのです」


「やっぱり!急いでいらっしゃつたから、そうではないかと思っていました」


「あのう、お名前聞いて良いですか?」


「失礼しました。杉野と言います」


「ありがとうございます。じゃ、ここで失礼します」


「行ってらっしゃい!お気を付けて」


 彼女はにっこり微笑んで言ってくれた。木田はその笑顔が忘れられない。あの日と同じだ。深く心に刻み込まれた。


 終点新宿まで四十分。車内は一度も座れたことはない。今日も立っていた。しかし、杉野のことを考えていたら新宿までが直ぐだった。


 木田は十一年前、二十八歳の時離婚した。妻には結婚前から続いている男がいた。表向きは性格の不一致による協議離婚。


 親の勧めにより、見合い結婚して二年目の事だった。


 以来、女性に不信感を持つようになった。その男が恋をした。男の心理は不思議なものである。


                                つづく

次回第4回は8月11日朝10時に掲載します。