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        心の花  2

 それから、二か月が過ぎた。この間、彼女と会うことは無かった。


 毎週火曜日と金曜日が可燃物の日で、この日は胸を躍らせながらゴミ出しをした。


 しかし、会えない日が三か月目に入ると胸躍らす気持ちは自然と消えていた。木田は平凡な毎日に戻った。


 週末の金曜日、帰宅途中アパート近くのスーパーに立ち寄った。


 半額になった弁当と缶ビールをかごに入れ、レジに並んで驚いた。彼女がレジにいた。


 恥ずかしかった。よりによって半額の弁当が三つもある。


 木田は明日は休みで家にいる。安いから明日の分までのまとめ買いである。出来れば他のレジに移りたかった。


「いらっしゃいませ」


 彼女はにっこり笑ってレジ打ちを始めた。


 支払いを終え、スーパーの袋に入れながら木田は後悔していた。


 半額の弁当を三つだなんて、彼女はなんと思っただろう。


 翌日、同じスーパーに買い物に行った。出来るだけ高級食材を選んでレジに行った。残念なことに彼女はどのレジにもいなかった。


 翌日、また同じスーパーに買い物に行った。買うものが見当たらないので、ビールと乾き物のつまみを買った。


 なぜか彼女に会いたいのである。レジを見渡すと彼女がいた。他のレジが比較的少ないのに、そのレジに並んだ。


 順番が来るまで五人並んでいる。手際よくレジ打ちする彼女は知的で魅力的だった。


 四十前後だろうか?清潔な大人の魅力に溢れていた。横顔が良い。面長で唇の形が綺麗だった。思わず見つめていた。


「いらっしゃいませ」


 いつの間にか、木田の番になっていた。言われた代金を渡すと彼女は代金を預かりながら、


「ビールお好きなんですね」


 にっこり微笑みながら言う。


「はい!」


 覚えてくれていたのだと、木田は嬉しくなった。


 たった一言の会話だったが、木田は心が浮き浮きした。


 恋の始まりだった。


                                つづく

次回第三回は8月4日です