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                  女の誤算 5

 新宿の夜景がきれいだった。上空からの眺めのようだ。ホテル45階スカイラウンジ。金曜日のせいか賑わっていた。窓際の素敵なテーブルだった。


 ひな祭りと言いながら、祭りらしいことをしたのは子供の頃以来だった。


 酒の飲めない私は雰囲気につられ、注がれるままワインを3杯飲んだ。身体はけだるいが心地良い。少し酔ってしまった。


 彼が一流大学を出て、上場企業に勤務していることを聞き出せた。また、独身で末っ子であることも。名を津田恭介と言う。


 次に私の事を色々聞かれた。独身ですと言うと、そうだと思っていましたと言う。


私はなぜですかと聞かず、結婚できない理由があるのですと言った。


 案の定なぜ?と聞くから、子供の出来ない身体ですと答えた。彼はそれ以上聞いて来なかった。


 紗江子の上体がふらつくのを見て津田は言う、


「宮下さん!大丈夫ですか?」


「すみません、少し酔ったようです。お冷いただけますか」


 水が美味しかった。それでも頭がぐるぐる回るようだった。彼に寄りかかるようにしてラウンジを出た。


 彼は私を庇うようにしてエレベーターに乗った。そこは客室だった。私を抱きかかえるようにしてベッドに横たえた。


「少し休んで下さい」


 上からそっと毛布を掛けてくれた。やっと身体が楽になった。そのまま眠ってしまった。


 目が覚めると、彼はソファーに座り本を読んでいた。


「ごめんなさい。ご迷惑をおかけしました」


「気分はどうですか?」


 彼は冷蔵庫からコップに水を入れて持って来た。


 美味しかった。コップを返すと、いきなり抱きしめられ口を吸われた。私に抵抗する気はなかった。そのままされるままにした。


 二人は一つになった。津田の吐息が一段と大きくなった。紗江子は身体の奥に熱い息吹を感じた。なぜか涙が流れ落ちた。

                     

                      つづく