Shopping Cart
Your Cart is Empty
Quantity:
Subtotal
Taxes
Shipping
Total
There was an error with PayPalClick here to try again
CelebrateThank you for your business!You should be receiving an order confirmation from Paypal shortly.Exit Shopping Cart

   女の誤算 10 最終回

「それは言えません」


 紗江子は俯いてしまった。


「話して下さい!僕はどんなことでも驚きません」


「・・・・・」


 紗江子は自分の心を抑えるかのように膝の上で両手を合わせて握りしめた。


「紗江子さん!話して下さい」


 津田は静かに繰り返した。


「紗江子さん、貴女のいないこの二か月間、好きな音楽も聴けなくなりました」


「音楽は、これまで、どんな辛い時も悲しい時も癒してくれました。今度はだめでした。本当に辛い時は音楽も無意味だと知りました」


 津田は立ち上がると紗江子のそばに行き、両肩をそっと抱いて、


「紗江子さん話して下さい。お願いです」


 紗江子の目に涙がみるみる溢れて来た。それを隠すかのように、


「許して下さい。私は悪い女なのです」


 きっぱり言うつもりが泣き声になっていた。

「紗江子さん、他に誰かいても良いです・・・」



「話して下さい、お願いです。話して下さい」


「そんなことは絶対にありません!」


「では、話して下さい。僕はどんなことでも驚きません」


 津田は紗江子を力いっぱい抱きしめた。


「子供が出来たのです」


 ためらうように小さな声で言った。


「えっ!子供?」


 津田は思わず抱きしめていた手を緩めた。


「貴方の子供です」


「僕の?子供?」


「私は妊娠しない身体だと思っていました。だから騙したことになります」


「・・・・・」


 津田は言葉が無かった。


「反対されるとわかっていました。だから別れて産むつもりでした。一人で育てて行きます」


「ばかな!何てばかな!結婚しよう。こんなに嬉しいことはない!結婚してくれ!」


                        完