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        女の幸せ 6

 二階事務所に入ると面接時のソファーに座るように言われた。何の話かと山本は不安になった。


「山本君、経理の仕事はどのくらいやっていた?」


「入社してからですから5年ほどです。最初の1年程はほとんど雑用でしたから、正味4年ぐらいです」


「そうか、明日から経理を担当してもらう。条件は今と同じ日給月給。期間は年内いっぱいになろうかと思う」


「はい、わかりました」


 返事をしたが理由がわからない。事務の日給8千円は高額である。社長の顔を見ると、察したようで、


「実は昨日、経理を担当していた社員が脳梗塞を起こして入院した。これから年末にかけて忙しくなる。二人の事務社員に協力してくれ」


「それは大変でしたね。その方大丈夫ですか?」


「うん、一応峠を越した。暫く入院になるようだ」


「わかりました。一生懸命やらせていただきます」


「駅前に小さいが本社がある。そこに出社してくれ。スーツ着用で頼むね」


 社長はにっこり笑いながら言う。


 出社してみると、二人の事務社員は40前後と30前後の女性だった。聞くと入院した50前後の男性社員が事務を総括していたらしい。


 山本は過去の帳簿を見て、新たに作り直した。それは日毎の出納を記しただけのひと昔前の帳簿だったからである。


 新たな帳簿はエクセルを駆使し、ひと目で状況が把握できるだけでなく。1年予測も容易だった。社長は驚いた。


 山本は三か月後正社員として採用された。療養中の社員は半身麻痺が続き、会社復帰出来ないと連絡があったようだ。


 翌年4月、山本は課長の職制を貰った。社員26名の小さな会社だが生き甲斐を感じていた。


 生まれた子供も、もう直ぐ1歳になる。順風満帆だった。力と運が無いと言われたが、見返した気持ちになった。


 風呂上がりに子供を抱きながら、洋子の酌でビールを飲み幸せを実感していた。その時、社長の奥さんから電話が入った。


                       つづく

次回は11月23日金曜日朝10時に掲載します