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         偽浮浪者 5

 朝の当番は慣れないと三十分は掛かる。新聞の手配とそのバインドから始まる。


 当番は週一回一か月間。入社三年迄の社員が順番にする。


 清掃は業者の担当だがシュレッターの紙屑取り出しと保存は社員がする。


他にコピー用紙の補充。応接室のテーブル拭きからポットのお湯の充当等である。


「住田さんありがとう!終わりました」


「僕もこの用紙入れて終わり。何だか早く終わったね」


 住田はがっかりしたような口ぶりだ。同期入社だが、二人は課が違うからなかなか話す機会が無い。思い切って、


「白井さん、今日ランチ一緒しない?」


「ごめんね、課の先輩と一緒なの」


「あっ、そうか。そだね。気にしなくて良いよ。じゃ、また来週」


「面白い!そだねだって、カーリングの選手みたい。でも、来週も?悪いわよ」


「まずい?」


「そんなこと無いけど、私だけ手伝って貰ってるから・・・」


「良いんだよ。じゃ!」


 住田は自分の席に戻った。あーあ、ふられてしまった。聞くんじゃなかった。急に疲れが出た。


「おはよう!」


 先輩の木村社員だ。


「おはようございます!」


「どうした?朝から溜息ついて。失恋でもしたか?」


「はい!そうなんです」


「ま、そんなとこか気にするな。そのうち慣れる」


「ひどいこと言いますね。でも失恋じゃありません!」


「そうむきになるな!本気にするぞ」


「木村さん!そう言うのを新入社員へのパワハラって言うんですよ」


「へっ、まだ新入社員の気分でいるのか?お坊ちゃま!」


「あっ、又パワハラ!訴えますよ!」


「おはよ!賑やかだな」


 課長が出社して来た。


「おはようございます!住田君の人材研修です」


「そうか!じゃ、今度は私が木村君の人材研修だな?」


「いえ、課長お気遣いなく!」


課長は無視するかのように、


「住田君、何か問題があったかな?」


「いいえ、ありません」


「何かあったらまずは私に相談しなさい」


「はい、ありがとうございます」


「では、10時に専務室へ行きなさい。専務がお呼びだ」


                        つづく

次回6回は3月30日朝10時に掲載します