Shopping Cart
Your Cart is Empty
Quantity:
Subtotal
Taxes
Shipping
Total
There was an error with PayPalClick here to try again
CelebrateThank you for your business!You should be receiving an order confirmation from Paypal shortly.Exit Shopping Cart

        偽浮浪者 13

 改札前に立つ住田は能面のような顔をしていた。自分で自分の気持ちがわからない。


 定時に急いで退社して来た自分が忌々しかった。彼女の無神経さがわからない。


「ごめんなさい!待たせちゃった?」


「大丈夫。僕も今来たところだよ。どこに行こうか?」


「あれ?決めてなかったの」


 えっ、何なんだ?選ぶだけじゃなかったの?それじゃまるっきり僕が選ぶのと同じだ。どうかしてるよ。


「どこで買えば良いかわからないでしょ」


「そうか、じゃ、近いから東京駅前のデパートに行こう」


 プレゼントを選び終えると、白井がお礼に食事をご馳走すると言う。その上階のイタリアンレストランに入った。


「ボールペンとシャープペンが一緒なんて便利ね。思いもつかなかったわ。今度私も買おう」


「そうなるとペアペンだね。さっき一緒に買えば良かったじゃない!」


「えっ、何で?友達の彼氏よ」


「恋人だと言わなかった?三年付き合ってるって」


「学生時代のサークルの仲間よ。就活も終わって暇してたら友達に誘われたの。その友達の彼氏よ」


「意味が良くわからないんだけど。そのサークルってどんなサークル?」


「ラチエンサークルって言ってサザンの歌から名前を付けたらしいの。要するに湘南で遊ぶ会。彼氏見つかるわよって誘われたの」


「ふーん?それで見つかったのがプレゼントの人?」


「それは友達の彼氏って言ったでしょ。私に彼氏が出来ないから三人で行動してたのよ。でも三角関係じゃないわよ」


「でもプレゼントだろう?」


「私も毎年貰ってるから、お返しと言うか三人でお互いにプレゼントし合ってるの」


「だってこの前、恋人?って聞いたら、そうなるかしらって言ったよ」


「もぉう!住田さんて意外と子供ね。恋人のプレゼントを他の男の人に頼む?」


「じゃ、その人恋人じゃないの?あの時、そうなるかしらって言うから……」


「住田さん……恋をしたことある?女心は微妙なものよ。私は簡単に人を好きになれません。だからサークルでも出来なかったの」


「今も?」


「今?それは言えません」


「いるって言う事?」


「あーあ、だめね。いませんよ」


                                つづく

次回は5月25日金曜日朝10時に掲載します