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          不妊の幸せ 5. 最終回

「どうした?心配そうな顔をして。嫌なのか?」


「いいえ、嬉しいです…」


「何か心配事でもあるのか?」


「老後のことです」


「考えてある。何にも心配ない。どちらかに身体の支障が出たら二人で養護施設に入る。ホテル並みの施設がある」


「そんな施設があるんですか?」


「僕らと同じ思いの人が沢山いると言うことだ。子供のいる家庭は親と同居と思うだろうが、今は殆ど子が親を養護施設に入れる」


「それでも施設には費用が掛かります」


「馬鹿だな、子供が出すわけないだろう。逆に子供には大学迄の教育費用等が、1人に付き約2千万円かかる」


「そんなにかかるんですか?」


「だから子供がいなければ、老後資金の2千万円問題は解決だ。それに子供がいれば反抗期だ、受験だと精神的負担も大きいと思う」


「それが幸せだと言う人もいます」


「そう言う人もいるだろうが、僕は結構だ。子供は嫌いではないが、僕には別問題だ」


 言いながら美紀夫はふと思った。理恵子は子供が欲しいと思っているのではないか。


「理恵子、僕は君と二人だけの人生を生きたい。君を愛している。心から愛している。そのために結婚した」


「私も同じです。美紀夫さんを愛しています。美紀夫さんがいればこの世に何もいりません」


 理恵子は美紀夫をじっと見つめて言った。今にも泣きそうだった。美紀夫は理恵子を力いっぱい抱きしめた。


 顔を寄せた理恵子の頬から涙が伝わってくる。せつなくて口を吸った。心が悲しいような堪らない気持ちになった。


 理恵子を抱き上げベッドへ運んだ。二人はもどかしく服を脱ぎ合った。裸の身体は吸いつくように一体になった。


 ベッドは二人の動きに応えるかのように、ぎしぎしと音を立て始めた。


 美紀夫は無茶苦茶に突き立てた。理恵子も自分から腰を密着させ、両手で下から引き寄せるように身体を合わせた。


 せつなくて可愛くて、嬉しくて狂おしくて身体が止まらない。たちまち快感は頂点に差しかかった。


 美紀夫はいつになく大きな声を発した。理恵子は身体の奥まで貫かれた。同時に熱い息吹がそこに広がった。


 理恵子は嬉しくてせつなくて涙が溢れてきた。愛してます。好きです。死ぬほど好きです。


「このままじっとしていて下さい」


 その声は泣き声になっていた。理恵子は背に回していた手に力を込めた。


「理恵子、愛してる。死ぬほど好きだ。理恵子は僕のものだ。ずっとずっと幸せにするよ」


 美紀夫は理恵子の髪を撫でながら口を寄せた。理恵子はすすり泣いていた。


                        終わり

次回は新作を掲載します。4月3日金曜日朝10時です