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        すれ違い 4.

 そこは20階のレストラン。


 開店したばかりだと言うのに、窓際は客と予約で埋まっていた。ひとつ置いた席へ案内してくれた。


 日曜の11時半過ぎだ。予約すれば良かったと水野は後悔した。それでも眼前にビルや街並みが広がり晴れ晴れとした。


「ね、景色良いだろう」


「良いわね!灯台もと暗しね」


「そうなんだよ。これまで何かあると新宿だったけど、近場に良いところあるんだよ」


「何かって、デート?」


「馬鹿な。友達と待ち合わせだよ」


「ふうーん、別に良いのよ。デートだって。当たり前のことだもの」


「相手がいないよ。飲み仲間だよ」


「そうなんだ。飲み仲間ね。今度私も連れてって」


「良いよ。いつでも。今日でも」


「冗談よ。私、飲めないから」


 山口は、なぜか執拗に食い下がった自分に驚いた。どうでも良いことなのに。


「ね、本当に彼女いないの?」


「いるわけないだろう。いたら、山口と会わないだろう」


「あら、失礼ね。私で悪かったわね」


「いや、そんなつもりで言ったわけじゃないよ」


 水野は失言したと後悔した。しかし、何と言えば良いのか頭が混乱した。


「良いのよ。水野君素敵だし、彼女がいない方がおかしいし…」


「山口はどうなんだよ?彼氏いるんだろう?」


「いないわよ。どうして?」


「綺麗だからさ。一人でいるわけないさ」


「じゃ、どうして誘ったの?」


「誘って悪いのか?」


「良いわよ。一人だから」


 一瞬二人は沈黙した。そして、共に笑い出した。


                      つづく

次回は11月8日朝10時に掲載します