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  あなたは恋を知らない 8

 「遅くなりました」


 麗子は約束の時間に来た。薄いブルーのブラウスに白のタイトスカート。手にはかごバック。清楚である。


「お待ちしていました。行きましょうか」


 田村は嬉しそうに言う。二人は上階にあるピッツア&スイーツの店に入った。


 田村と麗子とは二度目の食事と言うのに、なぜか二人共緊張していた。


 ピッツアを手で折りながら口に運ぶことが気になった。


 麗子は意識した相手ではないのに、フォークとナイフを使えば良かったかしら……。田村も同じ思いだった。


 食事が終わってほっとした時、


「お聞きしたいことって何ですか?」


「YOSHIKIのことです。お勧めのCDを教えていただきたいと思いまして」


 話は尽きることなく次から次へと発展して行った。そして、YOSHIKIの結婚の話題になった。


「結婚して欲しくないわ」


「どうして?」


「結婚する必要があります?何の不自由もないのですよ」


「どうして香山さんにわかります?」


 麗子は少し間をおいてから、


「私も独身だから良くわかります」


「なるほど、香山さんの独身でいらっしゃる理由ですね」


「失礼ですね。個人的なことと一緒にしないで下さい」


 冗談ぽく笑いながら言う。


「ごめんなさい。綺麗で魅力的な香山さんが、なぜ独身かなと思っていたものですから」


 麗子はそう言われて満更でもなかった。


「田村さんも独身とおっしゃってましたけど、理由は何ですか?」


「僕は別に理由はないです。敢えて言うなら縁がなかっただけです」


「独身主義者ではないのですね」


「良い人がいたらと考えています。5、6年前までは縁談がありました。でも見合いする前に断りました」


「私も同じです。お会いしてお断りしたら相手に悪いですから」


「僕は来年50歳になります。一生独身は嫌だなと思い始めたら、もうどこからも縁談は来なくなっていました」


 麗子は驚いた。自分と同じくらいと思っていた。麗子は41歳である。


                       つづく

 次回は8月3日朝10時に掲載します