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    あなたは恋を知らない 7

 ”又お会い出来て望外の喜びです。YOSHIKIに感動しました。お教え戴き事あります。来週は是非お時間を戴きたいと思います。ご連絡下さい。田村”



 字数制限ぎりぎりのショートメールである。


 麗子はYOSHIKIに感動したとのメールに嬉しくなった。


ここ何年も他の人とYOSHIKIの話をしたことがない。それは話す相手がいないからである。


 数少ない友人も結婚すると、途端に会う機会が少なくなる。社内同僚も一回り以上の年齢差があり、趣味の話はしない。


 同期入社組は結婚か退職していなくなった。麗子の楽しみは本を読むこと、YOSHIKIを聴く事である。


 明日にでも会ってYOSHIKIの話をしてあげたいと思ったが、軽く思われるかも知れないと避けた。


 来週はもとより、いつも予定などなかった。それでも直ぐの月曜日は避けて水曜日にした。


”メールありがとうございました。来週は水曜日18時半以降でしたらお会い出来ます。麗子”


 田村はメールの着信音に胸が高鳴った。直ぐに開いた。そのメールに小躍りした。思わず指を鳴らした。


 こんなにわくわくした気持ちになるなんて久方無かった。しかし、場所はどこにしようかと心が落ち着かない。


 すぐの返信をと思い焦った。嬉しいことに妙案が浮かんだ。書店の音楽雑誌コーナーに18時半ではとメールした。


 場所は会ってからで良い。それまでに決める。田村は明日、書店の上階にあるレストラン街をリサーチすることにした。


 水曜日。田村は18時に書店に着いた。いつものコーナーで立ち読みを始めた。読むが先へ進まない。


 心がなぜかそわそわして落ち着かない。平静を装い他の本を次々と開くが、どれを見ても頭に入らない。


 もう直ぐ18時半だ。約束はしたものの、もし来なかったらどうしよう。不安が胸を過ぎった。


 その時、麗子が微笑みながら近づいて来た。


                        つづく

次回は7月27日金曜日朝10時に掲載します